(2023/04 時点での)見解
世の中がシステムのあいまいな挙動をある程度許容してくれるようになると、細かいルールベースのロジックから、LLM をベースにチューニングした処理をシステム内に据える(あるいは外部API利用)ことが可能になり、コスパが悪くて作れなかった類の機能を提供できるようになる。で、実際にニーズがある機能だと検証出来たら、がっつり堅牢に作り変えるというプロセスが発生しそう。
ヒューマンエラーを許容できないという理由でシステムを導入したようなドメインでは、ファジーな挙動は危険で使えないので、従来のシステムが保守され続けることになるが、Copilot のような開発補助という形で生産性は押しあがるはず。
別の観点では、Copilot の補助を強く受けられるようなプログラミング言語を選定する旨味が増すので、ポインタを直接扱いたいとか、特定のライブラリに依存しているなどの要因がない限りは、新規開発の言語選定はメジャーなものに寄っていくことが予測される。
懸念
プロダクトコードだけじゃなく、テストコードの自動生成など何かを生み出す系の作業が簡易になるので、ビジネス側からエンジニアリングコストが軽視されて、スピードと人員削減要求が強くなる可能性が高い。
とはいえ、エンジニアとして整合性の担保や品質保証を捨てることはできないので過剰要求に苦しくなる未来が安易に想像できる。
あとは、普通にライセンスの問題がありますよね。
雑談
Transformers アーキテクチャ自体は2017年?くらいに発表されて当時NLP界隈は結構盛り上がった記憶があったので、正直最近の盛り上がりに対して、いまさら感がすごいんですが、やはり技術だけではなくサービスが素晴らしくないと社会の一般層には浸透していかないんだなと改めて認識しました。
そんなことより、Transformers の論文を出した張本人である Google が OpenAI、Microsoft に対して後塵を拝している状況は結構驚いてます。やはり頑張ってチューニングするみたいな人間が関与する事業でことごとく失敗するんだなと、企業の得手不得手がハッキリと出ている感じがします。
あと、テキトーなことを言う情報発信アカウントもかなり増えてて怠いなと思います。Web3のときもそういう人たちいましたけどどこか行きましたね。
まぁエンジニアとしては、特定技術の盛り上がりによってエコシステムが充実したり、新しい仕事が増えたりするので、良いことな気はします。
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フリーランスのエンジニアとして活動してます。エンジニアとしてシステム開発に参画することもできますし、取引先によっては若手の育成をしながら開発したり、アドバイザーに近いポジションで入ったりもしています。最近は外部PMのような形で開発に関わることも増えてきました。
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